人事異動になると、後任者に仕事を引き継ぐ必要があります。文部科学省の本省の場合、かなり細かく引継ぎが行われます。資料にして10枚を超えることもよくありました。さらに、管理職になると担当者からの所管事項説明もあったので至れり尽くせりといった感じでした。このため、比較的短期間ですぐに仕事に全力で取り組めるようになります。

一方で、大学の場合は、引継ぎがなかったり、所管事項説明もなかったりということがありました。その大学では、そうしたやりかたでも特に問題がなかったのでしょうが、私としては、すこし戸惑いました。その場合は、自分で情報収集をする必要が出てきます。たとえば、自分が担当することになる課があるのでそこに挨拶に行き、その場で、課長に、あらためて時間をつくってもらい、どんな仕事をしているのか、どんな課題があるのかを教えてもらうことから始めました。

みなさん親切なので、聞けばいろいろと教えてもらえます。しかし、こちらが黙っていると、基本的な情報も来ないので、どこから手をつけていいのかわからないようになります。

組織として早く仕事を回すためには、そうした引継ぎ資料をしっかりと作成して、後任者に渡して、ていねいに説明するというシステムを作ることも重要ではないかと感じます。