大学経営
教授という権威━━『らんまん』から読み解く大学の現実
2023年(令和5年)夏に放送されたNHK連続テレビ小説『らんまん』では、主人公の槙野万太郎が東京大学植物学教室の田邊彰久教授の怒りを買い、出入り禁止を言い渡される場面が描かれました。教授の名前を論文に記載しなかったこと […]
学長裁量経費と大学運営のリアル
大学には、毎年ほぼ同様の使途に充てられる定型的な経費がありますが、それとは別に、学長のリーダーシップで柔軟に活用できる「学長裁量経費」を設けているところも少なくありません。ただし、「裁量」とは言っても、学長が自由に使える […]
大学改革に必要なのは “外の目”
国立大学では、長年教員として勤め上げた人物が学長に就任するケースが一般的です。そして多くの場合、その学長は自分と志を同じくする人物を理事や副学長として登用します。当然ながら、その人選は同じ大学の教員の中から行われることが […]
学長の腕組み━━からだと言葉をめぐって
大学の公式ホームページを見ていると、学長が腕を組んで写っている写真を目にすることがあります。そのたびに、私はある人物のことを思い出します。それは、竹内敏晴先生です。『ことばが劈(ひら)かれるとき』(思想の科学社)という著 […]
英語は「聞くこと」から始まる━━誰でも話せるようになるために
最近では、小学生のうちから英語を学ぶのが当たり前になってきました。それでも、日本人の多くが「英語が話せない」と悩み続けています。母語である日本語は自然と話せるようになったのに、なぜ英語はそうならないのか━━その疑問は誰し […]
施設は大学の顔━━予算確保に頭を悩ます現実
国立大学と私立大学の大きな違いの一つに、「施設設備費」の扱いがあります。私立大学では、授業料とは別に「施設設備費」や「教育充実費」として、学生から相応の額を徴収しています。一方、国立大学では、そうした費用を学生から徴収す […]
大学の未来を描く━━中期計画づくりの現場から
私立学校法の改正により、現在ではほぼすべての私立大学が中期計画を策定していると思われます。私もかつて、中期計画の策定に関わった経験があり、その際に感じたことや考えたことを記録しておきたいと思います。 中期計画に盛り込むべ […]
社会の最先端を知る教室━━香川大学の新しい挑戦
香川大学でのことです。長尾省吾学長が就任して間もない頃、学生との懇談の場が設けられました。そこで学生からこんな声が上がったのです。 「大学に入学したけれど、高校の延長のような語学や一般教養の授業ばかりで、正直あまり刺激が […]
「相関」と「因果」は違う━━意外と知られていない統計の基本
ある組織で研究に携わっていた際、相関関係と因果関係の違いが正しく理解されていないのでは、と感じる場面に何度か遭遇しました。私は大学の教養課程で統計学を学んでいたこともあり、「相関と因果は別物である」ということは、社会人に […]
「厳しい上司」が組織を壊すとき━━現場とのズレがもたらす混乱
文部科学省で働いていると、連日深夜まで仕事が続きます。関係省庁や各種団体との折衝、国会対応など、ひとつの仕事が終わっても次の対応に追われ、毎日が時間との戦いです。そうした環境で働いていると、自然と仕事は速くなり、判断も的 […]